LIVE REPORT
DAY 1
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lynch.主催イベント“BLACK BEAUTY BEASTS”が2月8〜9日、Zepp Nagoyaにて2DAYSで行なわれた。出演は、8日がアルルカン、Angelo、D’ERLANGER、9日がRAZOR、メリー、MUCC、SUGIZO、そしてもちろん2日間ともlynch.がトリを務め、彼らの拠点である名古屋に攻め入るそれら7つの強者たちを迎え撃った。
イベント開催前、『ROCK AND READ』のインタビューでlynch.のリーダー玲央(g)が「お声がけさせていただいたのは、いずれも僕らに危機感を与えてくれる方々ばかりなんですよ。要は、やるならとにかく強い相手と当たりたかったんです」と語っていたが、まさにその言葉の通り、全バンドがしのぎを削り合うかのごとく容赦なく挑んだ、世代を超えたバチバチのバンド間抗争のような2日間になった。 -
初日のトップは、lynch.のことをリスペクトし、結成当初はコピーもしていたというアルルカン。結成6年目というもはや中堅クラスのバンドだが、この日は特にレジェンドクラスの大先輩が肩を並べていることもあり、ライオンの檻にいきなり放り込まれた仔鹿のような境地だったのではないだろうか、と思いきや……。
定刻の18時きっかりに幕が開くと、持ち時間の30分を1秒たりとも逃すまいという気持ちの表れか、メンバーは板付きでステージに凛として立ち、すでに臨戦態勢に入っていた。対バンの諸先輩たちに臆する気配は微塵もない。そして「行くぞ名古屋!」と始まったのは「ダメ人間」。アルルカンを代表するライブの暴れ曲だ。激しい曲ばかり全6曲、V字ヘドバンや折り畳みから、拳を上げさせての拳ヘドバン、座らせての土下座ヘドバン、オーディエンスが左右に大移動する横モッシュまで、今の若手ヴィジュアル系のライブでよく見られる客を楽しませるセクションをフルコースで振る舞い、しかも「とりあえず拳上げとけばなんとかなります」「お座り!」「横移動、知ってます?」などと、そうした動きに親しみのない他のバンドのファンにもわかりやすいように誘導する。
MCでは「葉月さん(lynch.)は僕らに言ってくれました。客を持って帰れと。お姉様方、今日は持って帰ります!!」と、この日にかける意気込みを放った暁(vo)。最後にステージをはけるとき、心の中でガッツポーズをしているのがくっきりと目に見えてくるくらい、さも満足げな表情をしていたのが印象的だった。
なお、中盤で演奏した「リビドー」は、昨年彼らがlynch.を呼んで行なったツーマンライブのとき、lynch.がカヴァーしたアルルカンの曲。これは、それへの返答として贈られたlynch.への挑戦状だったのかもしれない。 -
2番手はAngelo。バンドとしてのキャリアは13年目とlynch.より少し短いが、核となるメンバーにはそれ以前の経歴もあり、lynch.にとっては大先輩にあたる。
場内が暗転し幕が開くが、ステージには誰もいない。そしてSEが鳴り響く中、メンバーがゆったりと登場し、まるでワンマンを始めるかのような落ち着いた佇まいで1曲目の「CRUELWORLD」がスタート。 “この世界は残酷で”と歌い、続く「ACTIVATE RESONATE」「CREVASSE」でも“絶望”や“破滅”といった重たい言葉を放ち、ミディアムめの頭3曲で場内を凍りつかせる。14年前にバンドをスタートさせたときのワード「The creature was reborn out of hades」が前面に書かれたお立ち台の上に立つキリト(vo)は、さながら独裁者のようなオーラを放っている。ところが……。
「今日はlynch.主催……」とイベントタイトルを告げようと振り返り背景のバックドロップを見るが、そこにあるのはAngeloの文字だけ。すると、キリトはこう言った。「lynch.主催“集団リンチの会”へお招きいただきありがとうございます」。これで場内の緊張が一気にほぐれたところで、「頭取っちゃえよ! 頭振れ!」とアジテートし、続く「NEW CENTURY BIRTH VOICE」からは打って変わってアグレッシブな曲を畳み掛ける。そして、オーディエンスをさんざん暴れさせたところで、今度は「キリトって実際見たら変な奴だと思ってるでしょ。変な奴です」と笑いを誘う。
そうした緩急を織り交ぜたAngeloのライブは、決して誰も置いてきぼりにはしない。一見突き放しているようで、ここぞというときに優しい言葉を投げかけ、居場所を作ってあげる。そんなAngeloらしさを40分に凝縮し、この日も絶望のその先にある希望を見せてくれた。 -
3番手はD’ERLANGER。この2日間の全出演者の中で最もキャリアが長く、強面でも知られるバンドだ。
場内BGMがPRIMUSに変わり、メンバーが戦闘態勢に入ったことを伝える。そして幕が開きオープニングSEが鳴り響くも、ステージには誰もいない。ただSEが爆音で鳴り響く中、ひたすらじらされ、我慢汁が暴発する限界値に達する寸前に、ゆっくりとメンバーが登場。まだまだSEは鳴り続くが、ふいをつかれたようにスッと演奏が始まり、「Harlem Queen Complex」「Harlem Queen Romance」をぶっ放す。凄まじい音圧と妖気だ。言葉ではなく、音で挨拶するとはまさにこのことだろう。
MCタイムでも、kyo(vo)はずっと後ろを向いたまま言葉を発さずに、さんざんじらした上で口を開く。
「ヘイ名古屋! こんばんはD’ERLANGERです!」と叫んだのち、「お嬢ちゃん」とセクシーボイスで囁く。kyoがイベントや対バンのときに時折使う殺し文句だが、これにはファンはもちろん、lynch.の葉月も自分のステージで「僕もお嬢ちゃんになりました」と告白するぐらい、悩殺される。
中盤には「dummy blue」「LULLABY」「CRAZY4YOU」と、2017年に出されたD’ERLANGERトリビュートアルバム収録曲を持ってきて、彼らのことを生で観るのは初めてであろう若い世代のオーディエンスも惹きつける。そして「とてつもなく気持ちのいい世界に連れて行きます」と、「バライロノセカイ」を披露し、最後に「哀」でしっとりと終わるかと思いきや、アウトロで緊張感マックスの凄まじいジャムセッションがスタート! 「SADISTIC EMOTION」のフレーズを挟みファンを歓喜させるも、途中で寸止めして終わるというSっ気もあったりと、まさに大人のエロさと怖さを存分に漂わせた圧巻のステージだった。 -
初日のトリは、もちろんlynch.。SEの「AVANT GARDE」が大音量で流れ出すと同時に幕が開き、そこに煌びやかな照明が放たれ満員のオーディエンスを煽りまくった上で、「lynch.です、よろしくお願いします!」と始まったのは「EXODUS」。この曲の終わりかけにバカデカいバックドロップが降り、場内の興奮が一層高まったところで「GALLOWS」「GROTESQUE」とハードな曲を畳み掛ける。大先輩のAngelo、D’ERLANGERに続いての出番というプレッシャーもなんのその、言ってみればいつも通りのlynch.を見せれくれたのが、なにより心強い。
「“BLACK BEAUTY BEASTS”改め、“集団リンチの会”へようこそ」と、キリトへの返しも忘れない。さらに、「僕ぐらいになると、一度持って帰られたみなさんをもう一度お持ち帰り返すというテクニックがある」と、先陣を切ったバンドの“客を奪う宣言”にもやり返す。
中盤では「CREATURE」「INVISIBLE」「EVIDENCE」「OBVIOUS」と畳み掛け、場内をこれでもかと暴れまくらせ、一体感を最高値に持っていく。そして、「偉大な先輩方のファンの前ではしたないことを言ってしまうことを許してください。全員でセックスしようぜ!」と、ファンが「やりたいやりたい」と合唱するおなじみの「pulse_」へ。続いて「もう1曲行けますか」と始まった「EVOKE」では、オレンジと銀のテープが発射。そこに照明が当たり、場内を美しく彩った。
アンコールでは葉月がどのバンドも出演オファーを二つ返事で快諾してくれたことへの感謝の気持ちを伝え、「lynch.を叩き潰すために来てくれたわけですよ。それがどれだけ嬉しいか」とMC。「奇跡って多くたっていいわけじゃないですか。だからどんどん起こしていきましょう」と、この日最後の曲「THIRTEEN」を披露し、「こんなに楽しいことが明日もあるなんて最高ですね!」と1日目の幕を閉じた。 -
振り返ると、1日目は時間通りに始まり、ほぼ時間通りに終わった。こうしたイベントにつきもののバンド間セッションもなく、それぞれがそれぞれのスタイルで真っ向からぶつかり合った。
なお、この日は金曜日。平日だ。ライブハウス関係者に聞いた話によると、最近は、土日前ということで仕事を残さないように遅くまで働く人が多く、意外と金曜日の集客が弱くなってきた向きもあるという。しかも、ここは名古屋。東京にも大阪にも行きやすい土地柄ゆえ人を集めにくく、ずっと名古屋は鬼門とまで言われてきたが、この日はほぼ満員、いや、ソールドアウトと言っても少しも差し支えのない状況だった。それを成し遂げた今のlynch.の底力は、間違いなく賞賛に値するはずだ。
DAY 2
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2日目の“BLACK BEAUTY BEASTS”はRAZORが幕を開けた。元BORNと活動休止中のSadieのメンバーを中心とするが、RAZOR自体は2016年結成と、この2日間の中で最もキャリアの浅いバンドだ。
幕が開くと、1人板付きでスタンバイしていた哲也(ds)がヘヴィなリズムを超絶ラウドに刻む中、メンバーが現れ、1曲目の「ROAD」がスタート。勢いでぶっ飛ばす暴れ曲ではなく、ミディアムめのヘヴィ曲をしょっぱなに持ってきたところに、歌と演奏に対する彼らの自信と意地、そしてなんとか爪痕を残そうとする、この日にかける気迫と意気込みを感じた。
そうした彼らの意気込みは、3曲目にも現れた。「嫌、嫌、嫌。」からメドレーのような形でlynch.の「melt」のカヴァーを持ってきたのだ。そこには誘ってくれたlynch.への感謝の気持ちもあっただろうが、むしろそれはlynch.のファンを根こそぎ持っていこうという闘争心の表れだったのかもしれない。まるでlynch.が憑依したのではないかと思えるほどのギラギラ感で、場内を盛り上げた。
そして、ここで事件が起こった。猟牙(vo)が、lynch.の葉月からこのイベントに誘われた経緯を話し始めた。
「大事な話があるからちょっと来いと。2月は何してると。空いてるかと。1日から31日まで全部空けますと」。続けて「ただ、出るからにはケンカ売るつもりでめちゃくちゃやります!」と叫び、最後のブロックになだれ込んだ。そう、気持ちが前につんのめりすぎて、思わず2月の日数を超えてしまったのだ! しかしこれがバズったのかわからないが、この後Twitterで「RAZOR」がトレンド入りした。百戦錬磨のライブバンドに囲まれる中、苦戦を強いられるかと思いきや、結果、大きな爪痕を残した。やんちゃ坊主のRAZOR、あっぱれである。 -
続いて登場したのはメリー。lynch.とは2012年と2013年の2度、ツーマンツアーを行なっているほどの間柄だ。
そんなメリーは最初からさっそく仕掛けてきた。lynch.主催なんて関係ねえ、共演バンドなんて関係ねえとばかりに、1曲目に昭和歌謡感バリバリの「さよなら雨(レイン)」を持ってきて、メリーの世界観で場内を支配する。
「こういうイベントは2日目のほうが盛り上がるんです。なぜか聞きたい? メリーが出るからです!!」
続く「[human farm]」でガラ(vo)はマイクスタンドを手にしたままぐるぐると何回転もし、「T.O.P」ではパンクバンドのように激しく暴れ、Zepp Nagoyaをまるで80年代のライブハウスのような危険地帯化させる。
ネロ(ds)がジャジーな4ビートを刻むと、それに合わせてガラはアドリブでMCを。そして「首を取るとか持ち帰るとか、興味ないです。なぜなら僕らは待ってる側なので。みなさんが我々のもとに来るのを」「スローセックスの時代です。セックスは脳でするんです」と、前日の首取り合戦や、lynch.の「セックスしようぜ」のことをしれっと揶揄する。しかし、そこから待つばかりの2番目の女のことを歌う「平日の女 -A面-」に入っていったのもお見事だし、後半に激しい曲を畳み掛けオーディエンスを引き込み、最後に新曲「sheeple」を披露し最新型メリーで終わらせるという流れもお見事だった。
しかも、メリーはそこで終わらなかった。ステージをはける際にガラがテツ(b)にマイクをサッと手渡した。戸惑いながらもテツは「メリー愛知代表としてみなさんに聞きたいことがあります。lynch.は好きかー! 俺も好きだー!」と叫ぶ。ステージを離れる最後の最後の瞬間までオーディエンスを離さない。まさに自他共に認めるライブバンド、ここにありという感じだった。 -
この日の3番手は、そもそもlynch.がこのイベントを主催するきっかけにもなった、MUCC。実は2016年にlynch.は、MUCCのミヤ(g)主宰イベント“COMMUNE Vol.2”への出演を、不測の事態により直前にキャンセルした。そこに対してのお詫びを兼ねて、何か恩返しをしたいというlynch.のリーダー玲央の思いからプランが始まった、という背景がある。
そのMUCC。MUCC流のダークなラブソングとも言える「リブラ」を1曲目に配し、しっとりめのミディアム曲ながら圧倒的な狂気感を放出し、オーディエンスを全く身動きさせないほど引き込む説得力は、さすがだ。
そこからMUCCの暴れ曲の定番「蘭鋳」に入り、続けて「ENDER ENDER」で場内の一体感を高める。
「RAZOR楽しんだ? メリー楽しんだ? 昨日も楽しんだ? じゃあもっと楽しんじゃおう!」と煽る逹瑯(vo)だが、続けて「でもSUGIZOさんまでは体力残しといてね。lynch.の分は残さなくていいから」とかます。
中盤ではダブの「アイリス」、フォーキーな「自己嫌悪」、ファンクロック調の「G.G」と続け、MUCCの幅広い音楽性をアピールする。その後、歪んだベースによる「大嫌い」のイントロが始まると、これから始まる大暴走を予測し、最前列ではサーフの準備をするファンが続出。ここまでくると、もう完全にMUCCの独壇場だ。曲が進むにつれ、至るところでサーフやダイブが起こる。
そしてラスト曲の「生と死と君」へ。ラップ、オルタナティブ、メタル、ポップなど様々な要素を詰め込んだ大作と言えるこの曲が放つサウンドスケープは、神々しくすらあった。もしかしたらこの日初めてMUCCを見る人もいたかもしれないが、彼らが人知れず対バンキラーと呼ばれる理由がこの40分からも十分にわかったはずだ。 -
大トリ前を務めたのはSUGIZO。SUGIZOは当日、ライブ前に「全編インストのサイケデリックな電子音楽であるSGZは完全なるアウェーなはず。是非ジャンルの垣根を超えて、魂を解放して一緒に楽しんでもらえたら嬉しい」とTwitterでメッセージを送った。
定刻になると、Portisheadの場内BGMが鳴ったまま幕がゆっくりと開く。しかし、何らかのトラブルがあったのか、SEはそのまま流れ続け、メンバーが現れる気配は一向にない。それから約8分後、この日のステージを共にするCOSMIC DANCE QUINTETのメンバー、MaZDA(syn)、よしうらけんじ(per)、MOTOKATSU(ds)、そしてSUGIZOが登場。また、VJとしてZAKROCKもステージ外から全面的にライブ参加する。
なにもなかったかのように「ノンストップで行くよ。一緒に昇天しましょう」と凛々しく告げ、1曲目の「禊」へ。ミニマルな4つ打ちのエレクトロがベースだが、ヘヴィなディストーションギターや躍動的なパーカッション、ポリリズムなどが、有機的な映像とともに炸裂し、まるで時空を自在に操っているかのようなスリリングな展開に、オーディエンスは激しくダンスで応戦する。
続く「FATIMA」では映像が海の景色に。ヴァイオリンにディレイをかけたそのサウンドスケープは、さながら映画の劇伴でも聴いているような荘厳さだ。変拍子の「Lux Aeterna」、「NO NUKES」と書かれた旗をSUGIZOが振りかざす「ENOLA GAY RELOADED」と続き、サイケデリックなSGZワールドはどんどんクライマックスへ。最後はまさにドファンクな「DO-FUNK DANCE」。「NO MORE NUKES PLAY THE GUITAR」の文字も映像に浮かぶ。彼が音楽を通して伝えたい平和へのメッセージを感じ取ったのは僕だけではないはずだ。 -
2DAYSの大トリを務めるのは、もちろんこのイベントのホストバンド、lynch.だ。定刻より7分遅れてスタート。SEもこの日は「SIN」になるなど、セットリストを前日とほぼ入れ替え、気持ちも新たにステージへ挑む。
1曲目は「D.A.R.K.」。この日はなぜか1曲目に聞かせる系の曲をもってくるバンドが多かったのも面白い。そして「GALLOWS」「EXIST」と激しい曲を畳み掛け、オーディエンスをlynch.のペースに引きずり込む。
MCで葉月が前日を含めたここまでの感想を述べ、「すごく誇らしい気分になりました」と伝える。そして「本日の主役登場しました! 暴れてもらわなきゃ困る!」と、激しい曲を立て続けに繰り出す総攻撃ゾーンに突入。「THE OUTRAGE SEXUALITY」に至っては、1Fフロアでのヘドバンが2F席まで風となって襲いかかってきたほど、場内は熱気に包まれた。
「さっきガラさんが、人間成長すると抱き合ってるだけでイケるって言っていたけど、そんなんでイケるか! 若いんだから! 全員でセックスしようぜ!」と、lynch.のライブ定番曲「pulse_」へ。そしてラスト曲の「ADORE」では、前日とは違う色の水色と銀のテープが発射され、場内をキラキラと輝かせた。葉月が別れを惜しむかのように、この曲の最中に何度も何度も「声を聞かせてください」と叫んでいたのも印象的だった。
アンコールでは、葉月が「主催した側じゃないとたどり着けない感覚があった。誇らしさがあった」と、このイベントがlynch.にとっても満足できるものだったことを告げる。そして、せっかくだからとメンバー全員にMCを促す。玲央(g)は「純粋にカッコいい、強いバンドだけ集めました。自分が間違ってないということを確認できた」と。晁直(ds)は「またいつかやりたいのでご協力よろしくお願いします!」と。悠介(g)は「誰よりも楽しんでました。僕は幸せです」と。明徳は「名古屋でやれるのが楽しくて、嬉しくて」と語った。そして最後に「CREATURE」を披露し、自ら主催するイベント“BLACK BEAUTY BEASTS”の2DAYSを締めた。
「この熱を絶やさないように、もっともっとでっかくしていきたいと思います。どうか協力してください」と、最後に葉月は語った。全てが終わったのは21時半。予定より15分押していた。時間厳守が基本のlynch.にしては、これだけ押すのはおそらく相当珍しいはず。それだけ彼ら自身、このイベントが楽しかったのだろう。 -
2日間を通して振り返ると、1日目は闘争心むき出しで挑むバンドが多かった印象だが、2日目はゴーイングマイウェイを貫くことで逆に勝負に挑むバンドが多かった印象だ。いずれにしても、どのバンドもそれぞれの思いをかざして真剣勝負に出た。結果、どこもが新しいファンをつかみ、お目当てを見るために集まったファンの人たちも、もしかしたらこのイベントがなかったら一生出会わなかったかもしれない新しいお気に入りを見つけられたのではないだろうか。バンドにとってもオーディエンスにとっても、参加者全員に得るものがあった、とても有意義な2日間になったと僕は信じている。